がんサバイバーのためのヨガがあることを知っていますか?

 

ヨガがからだにいい、精神的にいい、と「巷」では聞いたことがある人もいるでしょう。

今やヨガの効果効能に関する情報は、ネットをググれば大量に見つかります。

 

でも、がんサバイバーのための特別なヨガがあるということは、あまり知られていないようです。

 

私は2009年に乳がんと診断され、それまで楽しんでいたヨガを中断せざるを得ませんでした。

 

理由は、一時的にも精神的に生きる力を無くしてしまったこと、
そして、治療が原因でからだの働きに不具合が起きてしまったこと。

 

でも、治療が終わって2年くらい経ったころ、やっと精神的にも肉体的にも
以前のように立ち振舞えるようになり、大好きなヨガを再開しました。

 

ところが。。。。

 

全然以前のようにできない!
自分のからだが自分のものじゃない感覚が。。。

 

かなりショックで、がん治療の恐ろしさを認識した瞬間でした。

 

それからというもの、がんサバイバーには、「適したヨガ」が必要だと考えるようになりましたが、
そんなヨガを教えている先生は少なくともハワイや日本にはおらず、
ひたすらネットサーフィンで探す日々が続きます。

 

そして。

やっと見つけました。。。。NYに!

え〜〜〜〜ニューヨークウウウウ〜? 
通えないじゃん!

 

ダメじゃ〜〜〜〜んっと、一時は諦めましたが、よくよく見たら、そのNYのヨガは、
『y4c (ヨガフォーキャンサ-)』 という団体で、がんサバイバーのためのヨガ指導の資格を
提供しているとのこと。

 

「ふーーーーむ。。。だったら自分でそういうヨガができるようになればいい、
いや、どうせなら資格を取って私のように困っている人たちを助けるってどうよ?」 っと、
心機一転、ヨガのインストラクターになるというとんでもない決断をしたのでした 。

 

でもまあ、思い立ったら吉日です (笑)!

さっそく一昨年 (2015年) の7月から数ヶ月間、まずはハワイのアマンダ先生について
通常のヨガ指導のトレーニングを受け、さらに去年 (2016年) 6月にはNYへ飛び、
y4cの創始者であるTari Prinster (タリ・プリンスター)先生から直接学べる講座に参加して、
がんサバイバーのためのヨガ指導の資格を取りました。

 

 

自分で言っときながらなんなんですけど。。。。がんサバイバー向けのヨガって本当に全然違うんですね。

 

NYでの講座は、驚きの連続でした。

 

そして。。。

「がんを経験していない頃に覚えたヨガは、
がんサバイバーとなった今は基本としては残っているけれど、
それを応用しないことには使えなくなってしまった」

ということを自分で理解するまでに、気持ちの切り替えだけでなく、
きちんとタリ先生から知識として学ぶ必要があったな、とつくづく思います。

 

そんなタリ先生も、私と同じように他にがんサバイバーに教えている先生が見つからなかったため、
自分で教えようとy4cを立ち上げたそう。

 

タリ先生の講座には、およそ20人くらいが参加していましたが、びっくりしたのは、
全員がヨガ指導の資格を持っていたわけではないことでした。

 

参加者の3分の一ほどは、 医者、看護師、臨床医、理学療法士、薬剤師などの医療従事者でした。

 

がんの治療って日本はわかりませんが、アメリカではチームが組まれ
チーム全体でスクラム組んで立ち向かって行くので、そうか〜がんのためのヨガ指導も
ヨガインストラクターだけに資格があるわけじゃないのだわ、と改めて納得です。

 

こういうところは、アメリカはさすがだなと感じます。

からだと心は一体である、という考え方が、医療の世界でも東洋西洋関係なくきちんと理解されて
それなりの地位も獲得している証しです。

 

講座の内容はぜひ、5月末から6月初旬にかけて日本で行われるタリ先生の講座に参加して、
ご自分で経験してみてください。目から鱗な数日間になること間違いなしです。
http://www.yoga-pilates-yosei.com/y4c/

 

日本を訪れるのは今回が初めてというタリ先生。

日本の素晴らしい『お・も・て・な・し』でお迎えしてあげてくださいね。

 

 

==あとがき==

NYでの講座が終了したその日の夜はクイーンズ地区に住む友人の家に泊まることになっていたので、
スタジオの玄関で友だちの迎えを待っていた時のこと。

 

全てを終えて生徒たちも送り出したタリ先生が、ゆっくりと階段を降りてきました。
私を見て「あら、誰か待ってるの?」と。

 

そして、私が答えようとしたその瞬間、私の向こう側に何かを見つけ、
キラっキラな笑顔を作った目が流れました。
「ハイ!」と手をかざしながら。

 

私もつられて後ろを振り向くと、いつからそこにいたのか、
ダンディな白髪の男性がすっくと立っているではないですか。
彼も「ハイ、タリ!」と答えます。

 

どうも二人はこれからデートのようです。💕

 

私にサッとウィンクを投げかげて、タリはその男性に手を引かれながらスタジオをあとにしました。

 

私の計算によると、タリは確か。。。70歳間近。

まだまだ青春真っ只中の、お茶目で魅力的、かつスーパーパワフルな女性です!

 

ナマステ。

 

【今日の胸言葉】

晴れた日は晴れを愛し、雨の日は雨を愛す。
楽しみあるところに楽しみ、楽しみなきところに楽しむ。

by 吉川英治