トゥトゥ・ポハク
ハワイ島は生きている
ハワイ島には活火山がある。女神ペレの魂が宿るというキラウエア山。ペレの怒りのためだと言われる火山灰は常にこの島を覆い、ひどい時には、自己主張いっぱいにオアフ島までモクモクと煙らせる。そう、ハワイ島はペレと共に生きているのだ。
だからだと思う。ハワイ島を訪れるたびに、言葉には表現できない種類のエネルギーにからだが包まれるのを感じる。日常の繁忙さや、ストレスや、心配ごとや、やり残しや、ルーティーン。。。。そんなものがぜ〜んぶ、自分の自由はきかない次元に連れて行かれて、最初はちょっと不快な感覚なのに、すぐにサレンダーしてしまう。そしていつの間にかそれが快感となっていることに気づくのだ。ハワイ島は、ハワイの島々の中で一番、「自然の中ではまるで無力な自分」と、「けれど実は自然と融合できる自分」を認識できる、自分という存在ときちんと向き合えるスピリチュアルな島だ。
いよいよリトリート
コナ空港ではアマンダとブライアンが迎えに来てくれていた。ブライアンは、ホノルルでマッサージを生業としている、モンタナ州出身の若者。ティーチャートレーニングのメンバーの一人だが、今回は、アマンダの助手としてリトリートに参加しているらしい。
今回のリトリートの参加者が続々と到着する。ジャパニーズ・アメリカンのロコ、ラナとジェーン、もともとはマサチューセッツ州出身のセイジ、サウスダコタ州出身でハワイの軍施設の病院で小児科医をしているトニヤ、夫婦で参加のデブラとスタン、なんと、妊娠中なのにサンディエゴから参加のリサ、手術センターで看護師をしている女性２人（名前が思い出せない〜）、そして、アマンダの先生であり、ヨギーニの間ではとても著名なヨガティーチャーのルパリ。。。。 人種も年齢もバッググラウンドも様々な人たちが、今日から４日間、寝食を共にする。
リトリートとなる会場はこちら。
http://www.hawaiiislandretreat.com/
５０エイカー（６万坪）にもなる敷地を誇る、リトリートはもちろんのこと、B&Bやスパなどを提供するブティックホテルだ。
オーナーはジーナとマイクという老夫婦。ジーナはハワイアンの血を引く女性で、「この土地に呼ばれたの」と言う。土地を手に入れたはいいものの、５０エイカーにもおよぶ、それまでは放ったらかしの土地を整備してホテルを建てるには大変な苦労をしたそう。幸いにも息子さんが建築家なので、ホテル建設のほとんどは人の手を借りずに自分たちでやったと言うが。。。。
かつて、ハワイが「王国」だったのはご存知だろうか。カメハメハ。。。。そう、大王！ ということは、ハワイは、「ハワイ王国」だった。では、ハワイ島は、カメハメハ王１世の出身地であることはご存知だろうか（ちなみに、カメハメハ王は、５世まで存在した）。ジーナとマイクが手に入れた土地は、実は、カメハメハ王１世の時代に、カメハメハが集めた協議会メンバーたちがつどっていた場所で、整備中にはその時代の石器や古物がぞろぞろ、そして何体にもおよぶ人骨までもが出現したのである。
「私はここに呼ばれたの」とジーナは言う。「トゥトゥ・ポハクに呼ばれたの」と。ハワイ語でトゥトゥとは「グランマ」。ポハクとは神聖な石。広大なホテルの敷地内には、あからさまにカメハメハ王が会議やパーティを開いたと思われる場所があり、その一帯をジーナはそのままの姿で残した。その一帯のど真ん中に「トゥトゥ・ポハク」はひっそりと、いや、堂々と佇み、ジーナとこの土地を守ってくれている。
宿泊客はその場所を訪れることができる。「何か迷いがあった時、決心しなければならない時、私はトゥトゥ・ポハクに聞くの。もしあなたも何かに悩んでいたり迷っているのなら、トゥトゥ・ポハクに聞きなさい。必ず答えをもらえるから」。
翌日、もちろん私はジーナの言葉に従った。
思いがけない癒し
ふと、「匂い」に気づいた。さっきから漂っているいい匂いは何だろう、どこから来るんだろう。。。。 「イランイランの木よ」と、ジーナ。「イランイラン!?!?!?」うわぁぁぁ〜！精油を日常に取り入れている私は、草花にはかなり興味がある。だからいつも遭遇する花や木には注意を注いでいるが、生まれてからこのかた、イランイランの木をこの目で見たことはなかったのだ。ホテルの中庭に立ち空を見上げると、瞬く間に巨大なイランイランの木にからだが包み込まれ、さらに深い癒しへと引き込まれた。あ〜〜〜、このリトリートで頭痛も治るかな。。。。
人生はそんなに甘くはないと知るには時間はかからなかったが。
続く。。。
【今日の胸言葉】
神様は私たちに、成功してほしいなんて思っていません。
ただ、挑戦することを望んでいるだけよ。
– by Mother Teresa
カメハメハ王の協議会で使われたとみられるチェックボード（チェスや囲碁のようなゲーム）
