ハート2

「ひとごとではない」

北斗晶さんが乳がんと診断され右乳房の全摘手術を受けられたことをきっかけに、日本では「人ごとではない」と、乳がん検診の受診希望者が急増しているというニュースを読みました。

そして、その記事には、「早期発見早期治療で死亡率が下がる場合もあるが、専門家は『検診の不利益も知ったうえで受診の判断をしてほしい』と呼びかけている」ともありました。

日本の婦人科系クリニック等の、予約や問い合わせの平均数は、それまで1日平均30件あまりだったのに、北斗さんの一件でいまや3倍から6倍にもなっていて、いまや受診予約ができない医院もかなり出ているそうです。

中には、国が推奨する「2年に1回」という受診ペースについて、「毎年でなくていいんですか」という問い合わせも多いそうです。

検診の不利益とは

上記の「検診の不利益」とは、つまり、「X線を乳房に照射するマンモグラフィー検査を必要以上に受けると放射線被ばくによる乳がんの誘発リスクも生じる」、ということだそう。

ただ、他の発表では、「マンモグラフィーで乳がんになることはない」というものもあるし、一体なにをどう信じ、自分はどのような対策を取ればよいのか、情報過多である昨今、「う〜〜〜〜ん、わからない〜〜〜〜、誰か教えて〜〜〜」というのが本音じゃないでしょうか。

さて、私の場合はどうだったか?

前年のマンモグラフィーでは異常なしだったのに。。。

私は、ほぼ毎年マンモグラフィーを受けていました。乳がんと診断された年の前年もマンモグラフィーを受け、「異常なし」の結果。それなのに、北斗さんと一緒で、たった1年後には、触診でわかるほどの、2.5センチ大のコロンとまん丸い元気いっぱいな(笑)がん細胞が存在していました。なぜ〜〜〜〜?

一体なぜなのか。。。。? わかりません。実は、お医者さんに聞いても、わからないと言われました。

医者にも不可解なもの

がんの経験を経て、私は、「人間のからだは実に不可解なもの。そして人それぞれだ」と勉強しました。チェーンスモーカーでウイスキー片手に長生きするお婆ちゃんを何人も見てきたし、毎日ジョギングする健康思考の若き男性が心臓発作でいとも簡単に死んでしまった例も身近にあります。不公平〜、と思っても、実際そういう例がいくつもあるのですから、北斗さんのも私のも、前年は見つからなかったのに、今年は2センチ以上もの大きさで見つかったことは、「あり得る」のだと「人間のからだの不思議さ」を受け止めるしかありません。こういった例は、きっとあなたにも思い当たる節があると思います。

だから、私が常に心がけている考え方は、巷に溢れている情報のほとんどは、「一般論だから、鵜呑みにしない」ということです。

まだ乳がんになってもいないのに、テレビやブログからの情報だけで、「マンモグラフィーはがんを誘発するんだって」「北斗さんの生存率が50%!」「アンジェリーナ・ジョリーが乳房を全摘だなんてやりすぎだ」などと、何も調べもせず知りもせず、巷の情報だけを鵜呑みにし、自分勝手な判断をして大騒ぎするのは良くないと思うのです。

データと数字の威力

実際病気になったら、西洋のお医者さんは、一般論を、これまでの何百万何千万という過去の事例をもとに出された「データや数字」で読み上げながら、私たち患者に畳み掛けてきます。患者はその言葉の威力に圧倒され、医者の勧める方法で治療を選びがち。そこでは医者は、なんで〜、とか、例外、とか、でも私の場合は、とか、奇跡もあり得るのでは、なんていう、いわゆる想像や希望的観測には全く耳を傾けてくれません。言ってくれるのはせいぜい、「そうだといいですね〜」くらいです。だって、数字で証明されている以上、一般論として、あなたの場合も私の場合も、その数字に当てはまるはずだから。

自分のからだに聞く

情報は鵜呑みにしない、でも医者は一般論で攻めてくる。じゃあ、一体どうしたらいいのさ?となるわけですが、先ほどもお話した通り、人間のからだは実に不可解なもので、人間の数だけパターンがあると思います。だから、私は、自分が納得のいく答えを出すには、「自分のからだに聞く」ことが最適な方法だと思っています。

例えば。。。

最近大流行りのココナッツオイル。私は、まだ世間が騒ぎ出す以前の2009年から使っています。自分なりにがんになった原因を調べた結果、まずは「経皮毒」というものが大いに関わっていることを知りました。なので、それまで使っていたボディローションやヘアケア商品を全て中止。髪を洗うもの、からだを洗うのも、オーガニックの石鹸ひとつに変え、仕上げはココナッツオイルを髪にもボディにも使い始めました。その結果、髪もボディもがんになる以前よりも断然、生き生きと「生き」始めたのです。使っているのは当然、口に入れられる安全なものですから、同じココナッツオイルを料理にも使います。でも、ココナッツオイルは良くない、という説もあるようなので、自分に合っているかどうかはご自分のからだに聞いてみてください。

次に、これもまた最近流行りの亜麻仁(フラックス)。亜麻仁は、オメガ3を多く含む素晴らしい食品と言われていますが、私は使いません。何故なら、女性ホルモンを多量に含むからです。乳がんの多くは、女性ホルモン依存によるものです。私のケースもそう。だから、再発防止のためには、なるべく女性ホルモンを体内に取り込まないようにしなければなりません。

私は、これも自分のからだに聞き、「ホルモン治療=ピルを毎日5年間飲み続ける」という治療法をしない選択をしました。これは、ピルを飲むことで、女性ホルモンを出さないようにする治療法ですが、薬に頼らず、自分で、女性ホルモンを含む食品を摂らない、女性ホルモンを含む生活用品を使わないようにする、という新しいライフスタイルを選びました。

だから、ググっていただければお分かりになると思いますが、乳がんとオメガ3はとても深い関係にあるものの、「オメガ3だから」という理由だけで何でもかんでも摂り入れたり使ったりはできないのです。

こんな風に、自分のからだの状態を把握し、一般論もちゃんと勉強した上で、自分のからだに聞くということを繰り返しています。

からだはちゃんと答えをだす

大丈夫、からだは自然と答えを出してくれますよ。あなたに最適な予防方法や治療方法を。

2人に1人

有名人が乳がんになったことで急に大パニックになったからといって、「今は混み合ってて予約が受けられないから、『マンモグラフィーを受けすぎると乳がんの誘発リスクが高まるぞ』という発表を出しておけ」的な国の対応策、疑問です。ついこの前までは「マンモグラフィー受けましょう」って言ってたじゃん!

日本人のがん患者、今や2人に1人。「あなたか私」です。これって、一大事だと考えるのは私だけでしょうか。

愛する人ががん?大いにあり得る

なぜ有名人が乳がんになるまで国民はパニクらないのでしょう。あなたか私ががん、ということは、身近な愛する人にもがんを患っている人が絶対にいるはずなのに。私の知り合いにこう言う人もいます。「あ、うちね、がん家系なの。だから私も絶対なる。避けられないの。しょうがないの」と。本当に? 本当に避けられないのでしょうか?

国を挙げての病気予防教育を

個人個人の意識の問題と言ってしまえばそれまでですが、その個人個人の意識を高めるために、国は、予防医学の大切さを、国を挙げてもっともっと国民に積極的に教育する文化を作っていかないと、この先大変なことになるんじゃないかと、とっても心配な私です。

【今日の胸ことば】

問題の原因などどうでもいい。

大切なのは解決策とこれからどうしたいかだ。

– by Alfred Adler