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スリランカは現在、経済的に大きな成長過程にあるそうだ。貧困の差は激しいけれど、老いも若きも男も女も、とにかく日々、エネルギッシュに生きている。2015年の経済成長率は、6.5% (日本は0.59%)。

 

スリランカの人々が一生懸命生きているその理由はいくつかあるだろうけれど、そのひとつに、やっと内戦が終わった、ということがある。

 

スリランカでは、1983年から26年にも渡り内戦が繰り広げられていた。人種間の争い。

 

日本には、基本日本人しかいないから人種間でもめる、ということ自体が想像もつかないけれど、世界の他国の多くは多人種で構成されているため、「文化の違い=考え方の違い」ということで、諍いが起こる場合がある。

 

それが、人を殺しあう戦争にまでなって、それも26年間も続いたのだ。一人の人間がオギャアと生まれ、その人が26歳という大人になるまでずっと、暴動が起こったり、人々が虐殺されたり、暗殺されたり、襲撃されたり殺しあうのを日常茶飯事に目撃し続けるのである。もしかしたら自分も招聘されて戦いに臨まなくてはならないかもしれない。

 

私は日本に生まれたがアメリカに住んでいるので、人種のるつぼ、とか異文化といった言葉には慣れているし、アメリカ本土の方では、人種差別問題でよく暴動が起こったり銃乱射事件などが勃発していることは知っているが、26年も自国で戦争が行われるなんてことは、とても信じられない。

 

また、内戦中の2004年にはスマトラ島沖地震が発生し、 スリランカは津波に襲われた。なんと3万5千人以上の人が亡くなり、負傷者数は1万6千人、行方不明者数は5万6千人。家を失った人は83万人という、東日本大震災をも上回る大被害を被った。

 

インドの涙といわれるスリランカ。元々のいわれはその形と地理的なものにあるが、私にはどうしてももうひとつの意味があると思えてならない。

 

戦争と自然被害で多くのものを失ったスリランカ。今やっと、そのダメージから立ち直ろうと頑張っている最中。だから国全体が、人々が、がむしゃらに生きていて、なんだか言葉に表現できない不思議〜なパワーがみなぎっている。

 

言葉は茨城弁に聞こえるし(笑)、皆、頭を首ふり人形のようにカクカク振って可愛いし、とても温厚な感じと、道路で繰り広げられるサーキットまがいの、ルールもあったもんじゃない恐ろしい道路事情のとてつもないギャップ。

 

到着早々、私にとってスリランカは「摩訶不思議」な世界に思えた。

 

 

【今日の胸ことば】

世界の大偉業の大半は、もはやこれで絶望かと思われた時にも、

なお仕事をやり遂げた人々の手によって成し遂げられた。

デール・カーネギー